英訳版 『のだめカンタービレ』
のだめカンタービレ 英語版 (Nodame Cantabile 1)
原作: 二ノ宮知子
出版社: Del Rey
英文量: 少女コミックでは少なめ
難易度: 読みやすい
表記: 小文字
(* 評価はあくまで独断による感想です。)
指揮者を目指すエリート音大生・千秋真一は、ふとしたことから同じ大学に通う野田恵、通称”のだめ” になつかれることに。
変わり者ののだめにつきまとわれて、うんざりする千秋だが、彼女の自由で非凡なピアノの才能に次第に惹かれてゆく・・・
クラシック音楽の世界を舞台にした二ノ宮知子の人気コミック。主演の上野樹里、玉木宏がやけに当っているTVドラマでもお馴染みですね。
カンタービレとは、音楽用語で”歌うように(イタリア語 cantabile) ”という意味。
少女マンガとしてはテキスト量が少なく、ストーリーもテンポ良く進むので、ポンポンと楽しく読んで行けます。
多くの英訳コミックの英文が大文字なのに対し、のだめカンタービレは普通に小文字で書かれている(出版社による違い?)ので、その点でも読みやすくなっていておすすめ。
ただ、〜sama、〜sensei などがそのまま使われているのに違和感があったり、直訳というか怪しい訳で???なところも見受けられたりしますが、そこは想像力を働かせてカバーです。ヾ(・・;) オイオイ
のだめカンタービレ 英語のセリフ例
ゴミの山に埋もれているのだめの部屋を掃除する Chiaki(千秋)。
Chiaki: What is this stuff!?
Nodame: That's uhh... Maybe it was cream stew.
Chiaki: Cream stew is not supposed to be black!
And it's not supposed to look like a flushing toilet!
Nodame: Yeah. It's been sitting there for over a year.
Mine(峰 龍太郎)の試験の日、千秋の部屋の前で、のだめがぶっ倒れているシーン。
Chiaki:
Nodame? What are you doing!?
Come on! It's time to go to shcool...
Nodame: Auu...
Chiaki: You're hot! Nodame, what did you eat?
Nodame: I have a cold...
Chiaki:
A cold!? Well, no wonder!
Why are you still wearing summer clothes?
Nodame:
Because... I thought that I looked... sexier...
ちなみに、訳者による translation notes として、巻頭には -kun などの語句説明(もちろん英語での)、巻末にはストーリー中に出てきた日本的なものごとの解説が載せられています。
”甲子園”が ”an amateur baseball team” などと紹介されてたりしますが、のだめの空気で ほわ〜んと通り過ぎませう。。。
バイリンガル版
『のだめカンタービレ』は、欄外にセリフの日本語訳がついている”バイリンガル版(二ヶ国語版)”も販売されています。
のだめカンタービレ バイリンガル版
講談社バイリンガルコミックス
この”バイリンガル版 のだめ”は海外版に日本語訳をつけたものではなく、新たに英訳してあるものなので、英語のセリフが海外版とは違っています。
立ち読みしただけなので詳しくはわかりませんが、こちらのほうが参考書にあるような真面目な(?)英語表現が多く使われている気がしました。
学習目的ならこちらのバイリンガル版のほうがいいかも知れません。
英語漫画は普通の書店ではなかなか見かけないけれど、人気の高い『のだめカンタービレ』は店頭でも結構見かけやすく、大きな書店では洋書コーナーなどに両方置いてあることもあるので、読み比べてみるのも面白いかも。