発音注意。読み方を間違えやすい英単語いろいろ
英語学習を進めていると、知らない単語に出会っても綴りから読み方を想定できるようになってくるものですが、ときどき「服」を指す clothes や「高さ」を指す height のような、見かけを裏切るくせものが紛れ込んでいることがあります。
今回はそういった発音注意な単語の特集。
日本人が英単語を覚える場合、単語帳や教科書、学習書、洋書などなど、耳で聞くよりも文字を見て覚えることのほうが多いでしょう。そんな中で、
綴りをそのまま英語らしく読むと間違ってしまいがちな単語、綴りからは読み方のわかりづらい単語をレベル別にいくつか集めてみました。
あなたにも勘違いしたまま覚えてしまっている単語があるかも?
* 発音欄の アイコンは、英英辞書サイト Oxford Dictionary の各単語ページへのリンクです。リンク先のスピーカーアイコンをクリックすると音声を確認することが出来ます。
なお、馴染みやすさを重視して発音にはカタカナ表記も併記していますが、発音記号と音声を聞いた印象から総合して表していますので「強いて言うならこんな感じ」程度にお考え下さい。
初級。英検2級レベルくらいまでの単語
aisle
aɪl(アイル)
【通路】。 ”島”の island 「アイランド」と同じく s は発音しません。
ballet
bæléɪ(バレイ)
ダンスの【バレエ】。イギリス英語では最初にアクセントが来るようです。
clothes
kloʊz, kloʊðz(クロウズ)
【衣服】を指す集合名詞。発音注意な単語の代表格?「クローゼズ」などと読んでしまいがちですが、”閉める”動詞 close とほとんど同じ「クロウズ」な発音です。*1
height
jewelry
relative
wicked
haɪt(ハイト)
「ヘイト」と読み間違ってしまいがちですが、high つながりの読み方でOK。ちなみに、ドイツ語由来、特に人名などではこの”ei アイ”パターンが多いです。
《英》 jewellery
dʒúːəlri(ジューゥルリ)
【宝石類】を指す集合名詞。読み間違いやすいというより読みづらい単語。
rélətɪv(レラティブ)
名詞だと【親類】、形容詞だと【関連のある,相対的な】といった意味の単語。動詞 relate【関連付ける,関連がある】つながりで「リレイティブ」と読んでしまいがちです。
wíkɪd(ウィキッド)
【邪悪な,意地の悪い】などの意味を持つ単語。ミュージカルのタイトルで有名ですが、知らないと「ウィックト」と読みたくなります。
中級。英検準1級レベルくらいの単語
中級、上級レベルの語彙になるとフランス語など他言語からの単語が加わり、数も非常に多くなってきますので、ごく一部、とりあえず思い浮かんだものだけを並べています。ご了承ください。
bouquet
bukéɪ(ブーケイ)
【花束,ブーケ】ですね。フランス語からの語は独特です。boukéɪ とも。
bureau
bjúroʊ(ビューロー)
【支局,事務局,案内所】や【《米》箪笥,《英》書き物机】などを指す単語。
choir
kwaɪər(クワイア)
【聖歌隊】を指す名詞。くせもの中のくせもの。 chorus(コーラス)や、似たスペリングの単語 chore(チョア)【雑用】もあるせいで、わかっていても字と音をなかなか一致させられません。(汗)
corps
kɔr(コーァ)
【兵団,軍団】を指すフランス語からの名詞。知らないと「コープス」にまっしぐら。複数形だと読みが kɔrz になりますが、綴りはそのままです。
dairy
dé(ə)ri(デァリ)
【酪農場,乳製品販売店,乳製品製造所・貯蔵所,乳製品】といった意味の名詞。
err
ɜr(アー)
【誤る】意味の動詞。エラーな発音の error【誤り】があるので戸惑いやすい。
fiery
fáɪəri(ファイアリー)
fire と綴りがちょっと違うせいで悩んでしまう単語。【火の】などの意味を表す形容詞です。
gauge
ɡeɪdʒ(ゲイジ)
アクセントが違うものの、カタカナ語での「ゲージ」に近いですね。そのままだと「ゴウジ」と読みたくなります。アメリカ英語では音に合った gage のスペリングもあり。
gigantic
dʒaigǽntɪk(ジャイガンティック)
【巨大な】形容詞。メガ、ギガの”ギガ”や、ゲームなどによく使われるカタカナ語”ギガント”などから「ギガンティック」と読み間違いやすい。
heir
ɛər(エア)
【相続人,後継者】を指す名詞。 h は発音しません。なので、不定冠詞は a ではなく an になることにも注意。
plumber
plʌ́mər(プラマー)
【配管工】。「プランバー」ではありません。m の後ろの b は発音しないのが普通。
sewage
súːɪdʒ(スーイッジ)
【下水,汚水】。 sewer(súːər)は【下水管,下水道】。
suite
swiːt(スウィート)
【一組になった部屋,一揃いの物】といった意味。カタカナ語「スイートルーム」で親しんでいるので覚えやすいですが、文字を見ただけでは読めない可能性大。
wry
rάɪ(ゥライ)
r の前の w を発音しないのは普通ですが、ひとつ入れておきます。【(顔、表情など)しかめた;皮肉たっぷりの】などの意味。
上級レベルの単語
albeit
ɔlbíɪt(オールビーイット)
「アルベイト」などと読んでしまいがちな接続詞。all be it と読んでつなげましょう。 ⇒ 語呂合わせで覚える albeit の意味
annihilate
ənáɪəlèɪt(アナイアレイト)
【全滅させる,根絶やしにする】といった意味の動詞。「アニヒレイト」と覚えてしまう人は数知れず・・・。名詞形の annihilation も同じです。
cachet
kæʃéɪ(カーシェイ)
【威信;公印】といった意味を持つフランス語由来の語。
detour
díːtʊr(ディートゥア)
名詞で【回り道】、動詞で【回り道をする】意味の英単語。
debris
débriː(デブリー)
【残骸,瓦礫; がらくた】といった意味の単語。不可算名詞なので複数形はありません。
indict
ɪndάɪt(インダイト)
【起訴する】意味の動詞です。何食わぬ顔で「インディクト」をよそおう凄腕の忍びの者 (-h-) 。綴りでも読みでもいいから合わせて欲しい。 名詞の indictment【起訴,告訴】なども c は発音しません。
infamous
ínfəməs(インファマス)
【悪名高い,不名誉な】意味の形容詞。 油断して famous につられないようご注意を。
martyr
mάːrtər(マーター)
【殉教者,絶えず苦しむ人】といった意味の名詞。 tyr の部分の読みで戸惑いがち。
per se
pɚːr séɪ(パー セイ)
【それ自体】 by/in itself を意味するラテン語からの語。
rendezvous
rάndɪvù
rάndeɪvù(ランデブー)
初めて出会ったとき「ランデブーってこんななの!?」と驚く単語(フランス語由来)。カタカナ語は”逢引き”的な意味ですが、英語ではフツーに【会う約束,待ち合わせ,集合場所】といった意味。
ricochet
rɪkəʃéɪ(リコシェイ)
【(弾などが)跳ね飛ぶ】フランス語からの単語。
⇒ 絵で見て覚える ricochet の意味
toupee
tuːpéɪ(トゥーペイ)
主に男性の薄毛用の部分的な【かつら】。
zoology
zoʊάlədʒi(ゾウオロジー)
【動物学】。「ズーオロジー」の読みもあり。どちらにしても「ズーロジー」ではありません。
なお、ここでは辞書に載っている標準的な発音を基準にしていますが、それ以外の読み方が間違っているとは一概に言えません。
オーストラリア英語では today を「トゥダイ」と言うように、国や地方などにより発音が異なることも多々あります。
*1 ) 辞書の発音記号 ð が入るパターン、入らないパターンを聞き比べても違いは聞き取れませんでした。( ̄∇ ̄;) …が、英語のフォーラムなど(下記リンク)を見る限り、特にイギリス英語で ð を意識しているネイティブも多いようです。(参考リンクを表示)